野口 葵衣 さん

野口 葵衣 さん

profile_title
慶應義塾大学法学部政治学科。「スポヲチ」アシスタント、「ナイスク学園」パーソナリティをはじめとするメディア露出やイベント司会、MCなど多数

■ 野口葵衣さんのこれまでの主な活動 
                               
○学内活動 ゼミ/サークル
・慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所
・ストリートダンスサークル Revolve

○メディア出演
「話せるスポーツニュース スポヲチ」アシスタント
・ラジオ「ナイスク学園」パーソナリティ (大学入学前から)

○イベントMC、司会など
「学生祭2015」MC (2015/8/28)
・WIN next generation主催「Dive Diversity!〜広がる、私の未来と可能性〜」英語・日本語の二言語同時司会、ファシリテーター(2015/4/25)※下記写真参考
野口葵衣イベントMC

・慶應義塾大学ビジネス・スクール、日本テクノロジーベンチャーパートナーズ共催「スタートアップカンファレンス2015」司会(2015/3/12)
※その他、ベンチャーイベント、新商品お披露目、映画試写会などさまざまなイベントで司会、MCを担当

○その他
・書籍「グローバルな子供の育て方」(実業之日本社) で40ページにわたり特集される (2014/11/1)
・学生向けイベント情報まとめ「Facevent」キュレーター
・Heather diary 「食べただけで産地が分かる! 牡蠣が好きすぎて止まらない」 (2015/5/11)
・twitter @nogutaaan

■ 野口葵衣さんインタビュー

【1】家族の愛を感じながら育ったからこそ、積極的なチャレンジ精神が身についた

「何か色々なことをやっている人」「でも、いったい何をしたい人なんだろう」。みなさんが感じる野口葵衣のイメージはこんな感じかもしれません(笑)。確かに自分自身も「私の個性ってなんだろうか」「人にアピールできる強みって何かあるのだろうか」そんなモヤモヤ感は、ずっと抱いてきました。

野口葵衣-1

もちろん今も葛藤はたくさんあるのですが、「だからこそ、いつも色々なことに貪欲に興味を持ち、目いっぱい頑張り続けることができる」そういう姿勢そのものを、「自分らしさ」と定義してもいいのかなと最近は考えています。

物事にアグレッシブに取り組む姿勢、これはやはり家族の影響が何よりも大きいですね。子供の頃から、ピアノ、バレエ、陶芸、水泳、習字、演劇、チアリーダーなど、手当たり次第というくらい(笑)、たくさんのことに挑戦させてもらいました。

私が「やりたい」と言ったことは、基本的に何でも認めてくれる家庭でした。ただちょっと特殊なのは、事前にプレゼンが必要なこと(笑)。金銭面など、両親の協力が必要な時には「なぜ興味を持って、どういう理由でやりたいのか」「ちゃんと続けられるのか」などをしっかりと伝えなければいけません。それによって、「一生懸命やるんだ」という能動的に取り組む決意が自分の中で固まりますし、きっと両親もそういう私を期待していたのだと思います。

一方で、やると言ったことを疎かにすると怒られてしまいますね(笑)。「入り口は広く寛容に、入ったらしっかりと厳格に」そういう価値観で育てられてきたからこそ、色々なことにチャレンジする積極性と、一つひとつの物事に真剣に取り組む姿勢が身についてきたのだと思います。

特に印象的なのが中学受験。それまで住んでいた新潟から、東京の中高一貫女子校を志望したのですが、まさにこれは家族をあげての一大プロジェクトと言っていいものでした。「家族の支えがあってこそ自分の力が発揮できること」、これは、当時はまだ幼くてどれほど理解できていたかは分かりませんが、年を取るにほどにそのありがたみが実感できるようになりました。そして「愛されること、大切にしてもらえること」「愛すること、大切にすること」それぞれの相乗関係こそが、私の中の何よりも大きな価値観の軸になっています。

野口葵衣-3

そういえば最近「安全基地」という言葉を知りました。これは、アメリカの心理学者が提唱した概念で、「子供は親との信頼関係によって育まれる、心の安全基地の存在によって外の世界を探索でき、戻ってきたときには喜んで迎えられると確信することで帰還することができる」という考え方だそうです。

これを聞いて私は「まさに私の(家族の)事だ」と衝撃を受けました。「親に頑張っているところを見せたい」「褒められたい」というごく当然の子どもの欲求も、しっかり受け止めてくれる人がいてくれるからこそ、健全に育まれていく。私自身も親になったら、そういう存在になりたいと思うと同時に、親子の関係だけでなく、友達同士や先輩後輩の関係の中でも、そうありたい。「葵衣のおかげで頑張れる気がしてきた」そういう言葉を聞けたら、感激してしまいますよね。

【2】拭いきれない不安は、小さな成功の積み重ねで克服

積極的な行動って、一見「自信があるから」と思われがちですが、実はけっこう逆だったりします。「走っていないと不安になるから」「立ち止まって自分を客観視することが怖いから」、多分これが正解です。

ただ「不安だから、自信が無いからこそ挑戦する、走り続ける癖がついた」ことは、知らず知らずのうちに大きな財産になっている気がします。そして挫折するたびに、それを乗り越えるエネルギーになってきました。

野口葵衣-2

子供の頃の一番大きな挫折は、中学進学で東京に来たばかりの頃でした。地元ではそれなりに頑張っていたことが結果に表れていたので自信もあったつもりでしたが「東京ってやっぱりすごいな」と。完全に井の中の蛙だったわけです(笑)。

特にその中でも英語。私が通っていた学校は帰国子女入試で入ってきた生徒がたくさんいる環境でしたので、英語に堪能な子が多かったんです。一方私は日本生まれ日本育ち。それだけで大きなコンプレックスでした。E.S.S.(English Speaking Society。私の学校では主に英語ミュージカルに取組んでいました)の部活動にも入ったのですが、「英語が話せる」という「出発点が違いすぎるハンデ」に、釈然としない気持ちになっていました(苦笑)

でもその悔しさが大きなバネになりました。英語を必死に勉強し、舞台の練習にも明け暮れ、結果的に中学3年生のときに、高校生の先輩方を含めた中から、舞台の主役に抜擢頂いたのです。今でも覚えているくらい、あの時は本当に嬉しかったですね。「頑張ったことが結果に繋がる」という感覚を取り戻すことが出来ました。

昔からなのですが、根拠の無い自信が持てないんですよ(笑)。「誰よりも努力した」「これ以上無いくらい自分のベストを尽くした」、そんな実感が出来るような、日々の努力の裏付けが無いと自分に自信を持てないんです。ですから、日常の中で小さな成功をコツコツ貯めて、自信に繋げていくことが私の中ではとても大切でした。

それから、最近はいい意味で周りの目を気にしなくなりました。昔は自分がどう思われているか気になって仕方無かったのですが(笑)。そういった意味で、だんだん自分に真の自信がついてきたのかなと思います。他人の行動に対してとやかく言う人もいますが、その人が自分の人生に最終的に責任をとってくれる訳でもありません。自分に貫きたい信念があるならば、最後までやればいい。「私らしく生きようとする自分自身に、しっかり期待してあげよう」、そう思えるようになりました。

【3】人と会う時は、相手のことをしっかり予習。自分のことも正確に伝えられるように

人と会うこと、話すことで得られるものはとても多いといつも実感します。それは生き方のヒントや考え方の参考になるだけではなく、頑張ろうという意欲を刺激し、向上心を高く保つ下支えにもなる。ですから、魅力的な人が集まるところや、講演の場などには積極的に参加するようにしてきました。

その過程で著名な方との接点が広がる機会にも恵まれ、「あんな有名人と直接話したなんて凄いね!」と言って頂くことも多いのですが、実はそれほど凄いことをしているわけでも、私が凄い人なわけでもありません(笑)

野口葵衣-4b

例えば大学入学前に「メディアの仕組み」の発刊記念で、著者の池上彰さん、津田大介さんが来場されるイベントに参加することがありました。参加費は3000円と、当時の私には結構な額だったのですが、この機会は逃したくないなと。

でも、「ただ講演を聞いておしまい!」というのももったいないので、少しでも話をしようと。そこで書籍を熟読し自分なりの感想を用意。当日はトークショーの後、参加者がサインを求めて並ぶ際に、敢えて一番後ろに並ぶようにしました。それは、後ろを気にせず話し込むことができるかもと思ったからです(笑)

その結果分かったことは、自分なりの意見を持ち誠意を持って接すれば、大人の方も若者の気持ちにしっかりと応え、話しをしてくれるということでした。その後も鈴木寛さん、寺脇研さんはじめ、たくさんの著名な方々とお話をさせて頂く機会をいただきましたが、同じように感じています。とはいえ、ただ無鉄砲に押しかけるだけでは失礼ですので、先ほどの例で事前に書籍を読んで感想を用意していったように、目上の方にお目にかかる時はしっかり相手のことを予習しておくことは絶対です。

また今回のインタビューのように私を取材してくださるときは、これまでの資料やデータを可能な限り用意するといったように、お互いの関心や興味、求めるものがしっかり合致するように最善の準備をすることを意識しています。

少しの気遣いで、その後の人間関係は大きく変化すると思います。いつどこで出会う人が、自分の人生においてのキーパーソンになるか分かりませんので、一つ一つのご縁を大切にするように心がけたいです。そんなことを意識していたからでしょうか、一つの出会いがその時だけにとどまらず、次に続く繋がりに発展することが多くなってきました。

【4】「面白そう」と思った時に、瞬間的に反応する癖をつけておく

大学に入って、日々の生活の中で大事にしようとしたキーワードが大きく二つあります。その一つは「ゼロ→イチ」をたくさん作ること。もう一つは「自分の感情を言語化」することです。

野口葵衣-8

前者は、今までの延長でもあるのですが、とにかく未知の世界に一歩踏み出していこうということ。例えば、「○○に興味があるなあ」とぼんやりと思ったとしたら、これはまだ「ゼロ」の状態です。それに関する書籍を一冊読んでみたり、詳しい方にお話を伺ってみたり、イベントに足を運んでみたり。何でもいいのですが、とりあえず小さなアクションを起こして「イチ」にする。この流れをたくさん作るということです。もしそれで、「やっぱり自分には合わなかった」と感じても無駄ではありません。それが分かったことに意味があると思うからです。

元々人と話すことが好きだったので、ラジオ番組のパーソナリティ、USTREAMの情報番組やスポーツ番組など、様々なメディアやイベントのMCをしてきました。また実業之日本社の「グローバルな子供の育て方」という書籍発刊に関わらせて頂いたり、企業のサービスのお手伝いをさせて頂いたりすることもありました。学内ではストリートダンスサークルに所属したり、中学高校時代から続けていたESSの活動をしたり・・・、1年生の時は、「自分の直感で面白そうと思ったら何でもやってみる」「来るもの拒まず」そんなスタンスを貫いていました。

そこには「手持ちのカードを増やしておく」そんな気持ちもありました。カードの組合せ次第でできることの可能性は大きく変わります。自分が将来何かを実現したい時のために、知識、経験、人との繋がりなど、より多彩なカードをたくさん持っていたいと考えていました。また、「面白そう」と思った時に、瞬間的に反応する癖をつけておくことも、自分の判断力や行動力を高めていく上でも重要なのではないかという意識もありました。

野口葵衣-10

また後者で言えば、一つ一つの事象を一過性で終わらせないということ。全ての事には人生において必ず何らかの意味があり、自分の意思が反映された結果でもあります。それを漠然と「思っただけ」で終わらせるのではなく、頭の中を可視化する作業、すなわち言語化して書き留めておくという姿勢です。

例えば先ほど触れたような講演やインタビューの機会でも、「有意義だった」「勉強になった」という感想だけでなく、何が有意義だったのか、どこが役に立ったのか、それは自分のこれからにどう生かせるのか・・・そういうことを丁寧にまとめておく。

自分の思考や感情を言語化するって、やってみると分かるのですが意外と難しいんですよ(笑)。時間も労力もかかるし面倒くさい。でも、積み重ねていくことで大きな財産になっていくと確信しています。

【5】大切にしたい人には、大切にしている気持ちを伝え続けること

ただ二年生になった頃から、積極性の質が少し変わってきました。それは、大学入学前から憧れだった「慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所」に所属が決まり、もう少し学内を重視して、メディアの領域に活動を絞っていこうと考えたこと。そして積極性は時として、人間関係を危うくするということに気付いた点にあります。

野口葵衣-6

これまで繰り返し話してきたように、私は「周りの人を大切にする」意識を重視してきたつもりでした。しかし、どんどん外に飛び出していくほどに、(特に私は活動の幅が広かったので)周りの人に「葵衣はどんどん遠い存在になっていく」「忙しそうだから、自分との時間を取らせてしまうのは申し訳ない」と感じさせてしまうことを知ったのです。私自身は今までと何も変わらないと思っていたのですが、これはかなりショックなことで、とても反省させられました。

そこから改めて、「大切にしたい人には、ちゃんと大切にしている気持ちを伝え続けること」それが重要だと考えるようになったのです。積極性は、周りの人とのいい関係や信頼があってこそ生きること。日々の活動に気を取られて、大切な人とのコミュニケーションを疎かにしていないだろうか。自分を取り巻く人々、そして一つ一つの事柄に丁寧に向き合うという原点に、もう一度立ち返ろうと思いました。

例えば、私の趣味や関心の広さは、言い換えるとそれだけ多様な領域への受容性があることであり、立場の違う人の気持ちを理解したり、共感したり出来るはず。みんなの気持ちにもっと寄り添っていけるはず・・・そんな感じでしょうか。

最近では、バースデーイベントや牡蠣パーティを企画するなど、周りに人たちとの関係を深めたり、ただ単純に楽しんだり、そういう機会を増やして少しでもその気持ちが伝わったらいいなと思っています。

野口葵衣-9

そういえば牡蠣と言えば、周りの方はみんなご存知かと思いますが、超がつくほどの私の大好物(笑)。あるインタビューでは「食べただけで産地が分かる!」とまで書かれていましたが、あながち間違いではないかもしれない・・・(?)

ここ半年くらい、牡蠣を取り扱うお店で修行させて頂いているのですが、それも公募しているお店ではなく直接頼み込んで(笑)。もちろんメインの仕事はお店のお手伝いですが、同時に全国のさまざまな牡蠣を食べる機会もあって、私には最高の環境です(笑)。

牡蠣パーティはこれまで小規模で友達と何回か開催したのですが、実は今もう少し大きなものを構想中です。まずは年明けくらいに、牡蠣好きな人たちを広く集めて。そしてその先には、牡蠣料理店の方、産地の方、あるいは日本酒やワイン業界の方など幅広く集まってもらった、フェスタのようなものもできないかなと。

最近考えたのですが、食に関することを突き詰めていくと、必ず社会問題にぶつかるんです。牡蠣を美味しく食べるだけではなく、牡蠣を通して色々なことを学べる機会を作りたいなと。まだ構想段階でしかないのですが、もし牡蠣好きな方がいらっしゃったらぜひ状況をチェックしておいてください(笑)