相川 美菜子 さん

相川 美菜子 さん

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慶應義塾大学環境情報学部。若者の政治に対する意見を発信し、社会に届けるためのメディア「政治美人」立ち上げ主催

□ 相川美菜子さんのこれまでの主な活動
                                
○「政治美人」立ち上げ主催
“若者の政治に対する意見を発信し、社会に届ける”ためのメディア。さまざまな学生、若者が、インタビューなどを通じて、政治への思いを発信している。
「政治美人」オフィシャルサイト
・Twitter  https://twitter.com/seijibijin
・Facebook  https://www.facebook.com/seijibijin/
・クラウドファンディングの実施
Moonshot「“政治美人”を増やして、若者がもっと政治に関心を持てる社会を作りたい!」
・「政治美人コンテスト」の開催(2015/7/18)

○ 学内・学外
・首相官邸「伝わる化」プロジェクトに参加 (大学1年秋)
・NECO Lab ポリコミグループに所属。政治を分かりやすく伝えるサイトなど制作
・A&T 電子工作によるインタラクティブアート作品の作成 
・グラフィックデザイン

○ メディアリンク
・SFC CLIP「”伝える”ことで人を動かしたい」新しいことに挑戦し続ける美女、相川美菜子さん
・早稲田塾「現役合格物語」 SFCで幅広く学び、アートによるまちづくりを推進
・シモムラスイッチ「政治美人」サイト、これからは世界どこへでも
・Naverまとめ 「え、なんか素敵!今「政治美人」に関心が集まってる?!」

□ 相川美菜子さんインタビュー
                            
【1】子供の頃から、絵を描くこと、モノを作ることが好きだった

振り返ればあっという間の大学4年間でした。もちろん、思うようにいかなかった点、やり残した点もたくさんありますし、かなり辛い時期もあったりしましたが、総じて、自分らしくいろんな挑戦ができた日々でした。非常に光栄なことに、卒業式では学部代表として塾長から学位授与の場をいただき、学生生活最後をしっかり飾ることができてよかったなと思っています。

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大学入学の頃、私にとって大きなキーワードになっていたのは「アート」でした。

祖母が絵を描くことが好きだったり、祖父は自動車の模型作りが好きだったり、そういう姿を見ていた影響もあって、私は子供の頃から、絵を描くこと、モノを作ることが大好きでした。

小学校の頃から油絵をはじめ、また自分で木を切って組み立てたりして、かなり本格的なドールハウスを作ったこともありました。中学になると美術部に参加し、高校2年生の時は、50名という大所帯だった美術部の部長もさせていただきました。当時の思い出で印象深いのは、部長を務めた際の文化祭。「赤ずきんちゃん」のストーリーをロビー一面の壁画として展開したこと。来場者の方にもかなりインパクトを与える、圧巻なものになったと思います。

部長になった頃は、ある程度アクティブにもなり、外交的な性格的にもなってきましたが、もともとは凄く人見知り。美術が好きだったこともあり、自分の世界に引きこもっているタイプの子どもでした。また中高一貫校育ちだったこともあり、考え方や視野が狭くなりがちでもありました。

しかしある時から、YMCAのキャンプや国際交流キャンプに参加するようになり、そこで知らない世界を見る楽しさを知ったのです。そして「もっと違う世界を見たい」、「新しい価値観に触れたい」と、積極的に表に出ていくようなタイプに変わっていきました。

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そんな時に出会ったのが、日経新聞のイベントを通して知り合った米倉誠一郎先生です。イベントでの優秀賞受賞を機に参加した合宿があり、ここで先生からたくさんのことを学びました。特に「自分がやっていることが社会にどう影響を与えるか」そういう意識を強く持つようになったのは、この時の経験によるところが大きいと感じます。

【2】新たな仕組み作り、ワクワク感の創出が次のキーワードに

子どもの頃は絵を描いていることが殆どの生活でしたし、美大に進むものだと自分も周りのみんなも思っていました。しかしある時ふと思うことがあったんです。

「私は、絵を描いている行為そのものが好きというよりも、ゼロから何かを作りだすこと、新しい可能性を生み出されるワクワク感が好きで、それが”絵を描く”という形に表れていただけなのではないかと」

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そして、「私がアートを究めるのではなく、自分は側面に立って”アートの力”を他の領域に展開し、何かしら社会に価値を創造したり、社会問題を解決していく。そういう”仕組み”を作っていく方が楽しいのではないか」、そう思うようになったんです。そう考えたとき、学ぶ場所としてもっともふさわしいのは慶應SFCではないかと、進路を大きく転換することにしました。 そして当時、アートを活用した町おこしの事例が話題を集めていたこともあり、「アート×街づくり」が入学した頃の私のテーマでした。

しかしその後、大学で学ぶ中で「IT」への関心が高まっていきます。アナログ的なアートからデジタル的なものへ。「IT×クリエイティブ」がその後のキーワードになっていきます。

例えば1年の時には、大学の仲間と電子工作を手掛けたりもしました。その一つが、インタラクティブアートをテーマに考えた、「しゃぼ音玉」、 “シャボン玉を割ると音がする棒”です。これは、棒がシャボン玉に触ることで通電させ、その振動を使って任意の音に変える仕組みなのですが、「魔法のステッキ」みたいな感覚を味わえ、とても面白かったですよ。また割るたびに音を任意に変えることもでき、楽器のように演奏することも可能な仕組みになっていました。

私自身、このような”モノのその先”にある「ワクワク感の演出」が好きなことを、あらためて感じた機会になりました。

【3】若者にすこしでも政治に関心を持ってもらうために

その後の大学生活を大きく変えることになったきっかけが、1年生の秋に参加した首相官邸でのインターンでした。これはSFCが政府の広報と連携して行ったもので、官邸のホームページをもっと若者に伝わりやすく、興味を持ってもらいやすくすることを目的に行われたものです。

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この経験は、「政治をどう伝えればいいのか」「そのためのメディアはどうあるべきなのか」を、私の中で強く考える機会となりました。そしてあらためて「政治を若い世代に伝えること」の難しさも痛感しました。

そういった経験を通じて「私個人としても、何かそのためにできることはないか」そう考えるようになり、2014年7月の「政治美人」というWebメディアの立ち上げに繋がっていきます。

「政治美人」は、「若者の政治に対する声をダイレクトに社会に伝えるためのウェブメディア」をコンセプトにスタートしました。そして次のような目的を掲げ、主に学生など若者のインタビューを紹介してきました。
① 若者の政治に対する意見を発信する
② 政治に関心がない若者にも、関心を持つきっかけを与える

タイトルが「政治美人」と、かなりキャッチーなのですが、私の中では「まずは目に止めてもらう」ことが出発点だと考え、敢えてこういう名前を付けました。最初は「美女目当ての下心」でもいい。その関心が少しでも政治に振り向けられるようになっていけば、そんな気持ちでした。

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しかし、開始間もなく見事に炎上しました。狙いが裏目に出たのです。

「政治をチャラチャラしたものにするな」「不謹慎だ」など、激しい怒りの意見がたくさん寄せられました。政治を扱うこと、女性をビジュアル的に見せること、いずれもデリケートなテーマだけに、それが相乗して火が付いた感じです。

【4】バッシングからの立て直し

そういうバッシングの嵐はさすがに堪えました。自分では正しいことをしているつもりだったし、真剣そのものなのに。でもそれは思うように伝わらないんだと。

でも自分への非難以上に、サイトに出ていただいた方たちにまで嫌な思いをさせてしまったこと。それが何より辛かったですね。結果的にみんなの好意を仇で返してしまったことになる。当時はもう何もしたくなく、人とも関わりたくなく、ふさぎ込んで引きこもりの日々を送っていました。そして「もう政治美人はやめよう」と。

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しかし周りの方々に相談すると「やめる必要はない」という声が圧倒的でした。「やりたいこと、コンセプトは間違っていない」「伝え方や表現の仕方を見直せばそれでいい」と。そして「こういうつらい経験も、次につながる財産になる」と言った励ましも。

そういった力強い言葉をいただき、もう一度サイト運営に取り組むことにしました。しかし前回の反省を生かし、政治美人というサイトはどういう目的で作られたのか、そのコンセプトを、「政治美人における”美人”の定義」(※)とともに明確化し、ロゴなども刷新しました。
(※「美人の定義」=“政治や社会問題に対する問題意識を持ち、かつ自分の意見を主張できる全ての男女”)

そして、内容が表面的にならないように、努めて真摯なサイトにすることを心がけること、さらに男性陣にも積極的に登場いただくなどし、新たなスタートを切ったのです。その後は特に厳しいご指摘も無く、堅実にサイト運営を続けることができました。

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その後、「18歳選挙権」の改正公職選挙法の成立の流れを受けて、若者向けの政治イベントが増えてきました。私たちも、2015年7月には、横浜の赤レンガ倉庫前のステージで「政治美人コンテスト」を開催したり、政治に関するテーマを題材にしたイベントや、学校での模擬選挙イベントなどにも、政治美人として協力させていただいたり、活動の幅も広がっていきました。

【5】目指してきたものは「IT×クリエイティブ」の世界

「政治美人」の活動をしていると、「相川さんは政治の仕事に関わりたいの?」という質問を受けることが良くあります。しかし私にとっては、解決すべき社会問題の一つとして捉えています。

これまでの経験や今の立場が生かせ、かつ社会的命題の強いもの。さらに私の中心テーマである「IT×クリエイティブ」を発揮できる場として選んだというところが正直なところです。ただせっかくここまで運営してきましたし、着実に若い人の政治への関心が高まってきていることも感じますから、私が卒業した後も継続できるように、しっかり形を整えていきたいなと考えています。

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今後は、社会人としての生活が始まりますが、今までの経験や考え方が生かせる部分はいろいろとあるのではないかと思っています。

例えば、情報をどう伝えるべきか、相手の心を動かすにはどうするべきかなど、ずっと考えてきた中で気付いた、「相手の気持ちを汲み取ること」「それぞれの人の心に寄り添う姿勢」。そういうことの大事さは、どんな場面でもきっと同じであるはずだと。

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そしてやはり「ワクワク」を作りだしたいという、私の中のよりどころ。ここもまた初心貫徹、大切にしたいと思っています。そして、自分もみんなも「ワクワク」できること、それをより膨らませていけるような力を、これからの生活の中で培っていきたいと思っています。