本田 美咲 さん

本田 美咲 さん

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理系女子大生コミュニティ「凛」6期広報局長。「WAKAZE×凛の開発プロジェクト<四季酒>」発足人。「TECH::CAMP」インターン

■ これまでの主な活動
                                        
○ 学生団体活動
理系女子大生コミュニティ「凛」メンバー。6期広報局長 (2014/04~2016/03)
・フリーペーパー「Girls Lab. vol.7」編集長(2015/05~11)
・2015/08/25 経産省主催理工系女子!ワクワク夏の文化祭2015に登壇。登壇の様子が「高校生版日経WOMAN」に掲載
・クラウドファンディングにて「WAKAZE×凛の開発プロジェクト<四季酒>」発足人
※四季折々の日本酒を楽しむ!WAKAZE×凛の開発プロジェクト<四季酒>開発プロジェクト記事
「manma」 webページ担当

○ インターン
プログラミング教育事業「TECH::CAMP」にてインターン。iOSコース受講後、デザインコースのメンターとして勤務。(2015/06~)

○その他
・ミス東京電機大学2013グランプリ

■ 本田美咲さんインタビュー

【1】「彩才兼備」のインタビューを読んだことが、大学生活の転機になった

私の大学生活は、実はこの「彩才兼備」の影響を受けている部分がけっこうあります。例えば大学2年生からの2年間、ずっと力を注いできた、「理系女子大生コミュニティ凛」の存在を知ったのもこのサイトでした。

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きっかけは高校の同級生、城宝薫さんのインタビュー(※注 現在のインタビューはリニューアル後のもの)。たぶんFacebookだったかと思いますが、彼女がインタビューを受けた報告をアップしているのを見て、その記事を読んで。そして「他にどんな人が出ているんだろう」と読み進めていくと、理系の女の子がたくさん登場していたんです。私自身も理系ですから、興味を持って彼女たちの活動を見ていくと、凛に所属していた人が何名かいました。

当時は、大学に入って半年くらい過ぎた頃。何となく「思い描いていた大学生活と違うなあ」と感じ始め、目の前のことをこなすだけ、与えられるものを待っているだけでなく、自分から率先して自分の人生を切り拓かないといけないのではないか、そう思い始めたときでした。

そして、凛という団体で活動していくことで、先輩たちのように、「何か新しい可能性を自分の中に見出していけるのではないか」、そして「私自身も、彩才兼備にとりあげてもらえるような存在になれるのではないか」そんな将来のイメージを漠然と思い描いたのです。

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でも「彩才兼備」に出ていた凛の先輩方は、みんな素敵で。例えば市川磨理さんみたいな、そういったキラキラした人ばっかりの組織なんじゃないかって。

だから凛に入るためには、自分自身も堂々と人前で話せるような、輝きを持った人にならないといけないのではないかと。実は、1年の時に電機大学のミスコンに応募した理由には、「凛に受け入れてもらうための資格づくりのため」みたいな部分がけっこうありました(笑) そして「行動力のある女性になろう」という宣言の機会にもなるのではないかと。ですから、ミスコンが始まる前よりもグランプリを取った後の方が「学生生活を活かすにはどうしたらいいか」を考えて行動するようになりました。

【2】凛の6期メンバーとして活動できたことへの満足感

「理系女子大生コミュニティ凛」というのは、その名の通り理系女子が集まって2009年に創設された学生団体です。活動は、年に一度のフリーペーパー「Girls Lab.」の発行、定期的に開催する「凛カフェ」、企業取材の3つが主な軸になります。

一時期の「理系女子ブーム」というほどではないにしろ、理系女子への社会からの関心は今も変わらず高く、イベントの登壇や、メディアへの出演、情報発信のお手伝いなど、凛のアカウントにはいつもとても多くの依頼が寄せられます。その中で形にできるのは限られているのですが、そういうチャンスがとても多いことも凛の大きな強みです。

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▲ 凛の現役とOGが集まる同窓会(2015年6月開催)。中央は6期代表の猪爪舞花さん

凛での活動は学年に関係なく、最初の年は経験を積む時期で、2年目から幹部として表舞台に立ち、2年間のサイクルで回す仕組みになっています。

これは先輩から聞いた話なのですが、凛を立ち上げた一期の代表の辻さんが引退する時、「凛を引き継ごうが、つぶそうがあなた達の世代のメンバーに委ねる」「凛の名前を受け継いだからって、同じことをする必要はない」と、2期の中心メンバーに話し、その後の活動を託されたそうです。

もちろん、つぶすかどうか私たちの代が天秤にかけたことはありませんが、この考え方にはとても共感しました。すでに創設6年になりますが、毎年生まれ変わりながら続いている、各代ごとに自分たちの色を出しやすい、それが凛の魅力だと思っています。

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私は6期のメンバーで、現在は広報局長を務めています。また、ブログのwebデザインや、昨年発刊したフリーペーパー「Girls Lab. vol.7」の編集長もさせていただきました。

ただ最初の年は「凛の活動をしっかりこなしていれば、それだけで充分」そんな風に思っていたりもしました。しかし途中で「それは少し違うのかな」と。もっと積極的に自発的に、そして「何か新しいことに打って出るような」「学生のうちからしっかり結果を出せるような人間にならないといけないのではないか」そう考えるようになったのです。

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もともと、アグレッシブな部分もありましたし、決めたことをしっかりやること、新しいことに挑戦する意欲は強い方だったので、その後の凛での活動はより積極性を意識したものになったかと思います。それは例えば経産省のイベントの登壇や、「WAKAZE」さんのプロジェクト(後述)への協力など、凛を超えての活動であったり・・・

でも、それが可能になった最大の要因は、何よりも凛の6期の仲間が好きだったから。みんなそれぞれに問題発見能力が高く、責任感がある。何かあると「これは私が対応しておくから」と、すっと言葉が出てくる。それがごく当たり前に。そういう関係の中で、活動を続けていくことはとても楽しいことでした。

【3】自分の世界でしっかり頑張り結果を出すことが、後輩のためになる

私が理系の進路に興味を持ったきっかけの一つに、若くして一級建築士を取得し、仕事で結果を出している親戚の存在を知ったことがあります。その方は、学生の時からしっかり技術を身に着け、それを社会で活かしてきた。それを見て私も、大学時代にきちんと学び、社会で役立つ技術を磨いておくことの重要性をすごく感じたのです。

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このように、身近なところで尊敬できる人、生き方の参考になる人と出会えることは、非常に大きな意味を持つと思います。理系女子にとってもそれは同じ。特に理系女子は少数派になりがちだからこそ、お互いに心を許し話し合える関係は大事。そして多くの先輩とも触れ合うことも。

一方で私たち自身が、ロールモデルになることを求められる点も多々あります。特に「女性の理系進学」を推進しようとするニーズは高く、そういう企画の依頼はとても多いんです。

ただその時、大学生側から高校生や中学生に歩み寄り、教えたり誘導したりというのは、少し違うんじゃないかなという気持ちはあります。相手に合わせにいくのではなく、自分自身が自分のやるべきことをしっかり頑張り、その姿を見せていくこと。それが結果として「理系に進学したい」と思ってくれることに繋がっていく。そういう順番でありたいと。

もちろん、なかなかそれに応えるだけの存在にはなりきれていない反省はありますが、「大学生は大学生らしく、まずは自分たちの世界で頑張ることから」。それは、私だけでなく凛のみんなも同様に、大事にしている共通の認識です。

【4】プログラマーになることが、女性の進路としてもっと当たり前であっていいはず

もう一つ、私の学生時代で大きな学びの場になったもの。それが「TECH::CAMP」でのインターンです。

「TECH::CAMP」とは、プロのエンジニアを育てるプログラミングキャンプのこと。大学生や社会人を対象に、全くの初心者でも1ヶ月で基本を身につけ、ゼロからサービスをリリースするレベルまで到達できる。そんな実践的なプログラムがウリのサービスです。

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私はまず最初に「iOSコース」を受講して、その後デザインコースのメンターとして勤務しています。基本的にはオンラインで完結できるカリキュラムなのですが、分からないところや質問に答えていく担当です。

こちらに顔を出すようになって驚いたのが、18歳とかすごく若い学生が、コードを書いたり、サービスを立ち上げたり、企業でバリバリ働いていること。そしてそれが特別なことではなく、ごく当たり前であること。年齢も性別も無く、果たすべき役割をしっかりこなしている姿でした。

それは社会人にとってはごく普通のことなのでしょうが、学生でも同じようにできるんだと。それが衝撃でした。そして「だったらこの当たり前を、学生団体に持ち帰り反映することも可能なはず」そう思えたのです。その後の凛の運営にとって、「TECH::CAMP」で働いたことは非常に大きな財産になりました。

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一方で、「女性にとってのプログラマーという仕事」についても、よく考えるようになりました。みなさんもご存じかと思いますが、プログラミングの世界では女性はとても少ない。進路としての選択肢としてはまだまだ弱いものがあります。

もちろんこの世界で求められるものは高く、デザインやUI/IXなどのユーザー目線だったり、企画やマーケティング、プログラミング言語の根源である、言語仕様レベルまで、常に勉強し、成長することが必要とされます。でも、頑張ったその先に、女性の感性や意識や経験が生きる、そういった「自分らしさ」「女性らしさ」が反映できる仕事だと思うのです。

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そして何といっても魅力的なのは、時間や場所にとらわれずに働くことが可能なこと。リモートワークでも対応できる仕事の幅があることは、出産や育児などの制約がある女性にとって大きな強みになると思うのです。

いま「Rubyの女神」と呼ばれる女性プログラマーの方が注目を集めたりしていますが、そういう方はごくごく稀です。私も、女神とかではなくてもいいので(笑)、女性がプログラマーを目指したくなる、そんな後押しができるような存在になりたいと思っています。

そもそも、キャリアアップ目的でプログラマーになるのは本質的ではないと思うんです。それよりも自分が本当に「欲しい!」って思えるサービスを作れたり関われたりすることこそ、人生を潤すはず。そのツールとしてプログラミングがあるのです。仲間と一緒に「会社がもっと成長するにはどうすればいいか」を考えて行動する中で、結果的に自分も成長できるよう、卒業まで1年間をかけて頑張っていきたいと考えています。

ちなみに、2/27には「将来に活きるスキルが学べる!大人のアプリデザイン女子会」というイベントが、「TECH::CAMP」主催で開催されます。まさに女の子のためのプログラムイベントなので、ご興味のある方は是非。

【5】凛で初めて商品開発のコラボレーションを実現

「WAKAZE」さんとのプロジェクトは、ある会合での偶然の出会いから。代表を務める稲川さんは、かねてより日本酒を世界に広めることを目指し活動していて、若手の蔵元さんなどと、オリジナルの商品開発や、海外での普及活動などを行っていられました。

そして新たな商品開発を行う時、「女性目線を参考にしたい」と、凛に協力要請をいただいたのです。それが、「四季折々の日本酒を楽しむ!WAKAZE×凛による<四季酒>の開発プロジェクト」です。

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春夏秋冬それぞれの日本酒ボトルを用意し、季節のイベントそれぞれで楽しんでいただけるようなパッケージにしました。春は生酒、夏はスパークリング、秋は秋おろし、冬はワイン樽で熟成した日本酒です。中でも春はお花見で楽しんでいただけるように、「春の花見セット」をご用意しました。桜のカクテルキットや大堀相馬焼のWAKAZEオリジナルぐい呑みが付いています。

こちらは「Makuake」を通じてクラウドファンディングを行い、おかげさまで、募集早々に100%を突破しました(※現在も受付中。3/15まで)

私たちが主に手掛けたのは、デザインに関する意見や、INSTAGRAMなどSNSの活用についてなど。デザインは、基本案は既にあったのですが、四季それぞれの統一感をどう出すか、そこに女性らしい演出をどう施すかなど、毎週のようにブラッシュアッププランをレポートにして出していました。

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「商品企画をしたい」という希望は、凛の中でもかなり以前からあり、本当に微力ながら、こういう機会をいただけたことは非常にありがたく思っています。

ただ実は私は当初、この機会を後輩を育てる場所にしたかったというのが本音です。携わりたいという希望を持つ人はとても多かったですから。しかし先方は企業であり、事業の根幹に関わるプロジェクト。そこに参画するには、相応の責任と自覚が必要です。

そう考えたとき、結果的に自分たち中心幹部が表に出るしかなかった。その点で、こういうチャンスをもっと与えられるような意識付けを、日頃から後輩にしておけばよかったというのは、私にとっての反省点です。

間もなく凛の6期の代は終わりです。次の代表も決まり、新たな体制に変わっていくところ。そのための準備として、もう一度メンバーのみんなと語り合う機会を作ろうと思っています。

少し言葉に表しにくいのですが、私たちはこれまで「プロジェクトベース」で、凛の活動を捉えていた気がします。しかし必要なのは、自分の人生にどう落とし込めているかどうか。なぜ凛に入ったのか、今何をしているのかを再確認し、それが自分たちの人生でどんな意義を持つのか。

プロジェクトのためのプロジェクトではなくて、自分自身の人生の一日一日をより豊かに魅力的にする。理系女子として、もしくは一人の女性として生きることと、凛の活動が自分としっかりシンクロするように。であれば、忙しい中でも時間を割く意義が生まれるし、それぞれみんながより高い共感を思える活動になるのではないかと。

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私自身これまで、伝える能力というものをあまり訓練してこなかった気がします。頭の中では常に「先輩や後輩、同期が幸せに仕事や生活を送るにはどうしたらいいか」を常に考えているのですが。

でも、もっとみんなが何を求めているのかを考え、どう表現すると受け入れられやすいのか、そういう感覚を磨いていくことも大事にしたい。凛のOGとしても、「TECH::CAMP」のメンバーとしても、そしてごく普通の一人の人間としても、伝える力を培っていくのが、今後の私のもう一つの課題です。