本橋 萌 さん

本橋 萌 さん

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立教大学文学部教育学科。学生フリーペーパーコンテストSFF(Student Freepaper Forum)の2012年度代表

■ 本橋萌さんのこれまでの主な活動
                                        
◯イベント主催
全国で唯一の学生フリーペーパーコンテストSFF(Student Freepaper Forum)の2012年度代表。
開催7回目にして参加団体は、過去最大の115団体。12月26日に、「ラフォーレミュージアム六本木」で、上位5作品による決勝プレゼンテーションが行われ、全国学生フリーペーパーNo.1が決定。イベント当日は700人の超満員で、多くのメディアからも取材された。
「Student Freepaper Forum」ホームページ

◯ メディアでの紹介
・ReLife 「SFFに関わる全ての方に感謝を伝え、心を動かしたい~STUDENT FREEPAPER FORUM 2012 代表 本橋萌」2012/12/11(株式会社ビジネスバンクグループ)
・繋がリアン 「なぜ,今フリーペーパーなのか~立教大学文学部教育学科3年 本橋 萌さん」2012/12/08 (インタビュー団体Lien)
・Campus新聞 「紙で若き情熱発信!学生フリーペ—パーの祭典」2012/11/20(SANKEI EXPRESS )
・「新・週刊フジテレビ批評」(フジテレビ)に出演(2013年1月5日)
・メンター・ダイヤモンド 「2012年の学生フリーペーパーの頂点は京都大学「Chot★Better」に決定」2012.12.28(ダイヤモンド社)
・読売新聞、毎日新聞など多数のメディアで紹介 

■ 本橋 萌さんインタビュー

【1】広く学外へチャレンジの場を求めてSFFへ

学生フリーペーパーの祭典として、2006年からスタートした「SFF(Student Freepaper Forum)」。回を重ねるほどに規模も内容も充実度を増し、毎年の恒例イベントとして学生のみなさんの中でも認知度の高い存在になってきたのではないでしょうか。2013年開催もちょうど今スタッフ募集が行われており、まさにこれから本格的に始動するところです。

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私は2年生の時からこのSFFに参加し、昨年の「Student Freepaper Forum2012」では代表を務めさせていただきました。そして年末に開催された決勝プレゼンテーションから、あっという間にもう半年。後輩の頑張る姿を見て応援する中で、当時とは違う形で、このイベントや代表としての経験を振り返ることができるようになった気がします。

SFFとの出会いは、立教大学の服飾サークルのファッションショーが終わって一段落した頃。この企画で初めて、リーダーとしてチームを引っ張る経験をしたことで、自分自身に足りないものがたくさん見えると同時に、大学の枠を超えたもっと広い世界で勝負したいと考えるようになったのがきっかけでした。

私は子供の頃から雑誌をよく読んでいたので、フリーペーパーにも以前から関心がありました。そこでどの団体で活動するのが面白そうかいろいろ情報を集めたりしていました。

そんなある時、渋谷の「オンリーフリーペーパー」というフリーペーパー専門店に行って、種類がものすごく豊富なことに驚いて。そこで「フリーペーパーって多様な魅力や可能性がありそうだな」って思うと同時に、「私がここへ来て初めて知ったように、殆どの人はこれほどたくさんあることに気づいていないんじゃないか」と感じたんです。「だったら自分は作る側ではなくて伝える側に回るべきだ」って。そこで当時すでに学生向けフリーペーパーイベントとして実績のあった、SFFに参加してみようと考えました。

【2】とにかく会って気持ちを伝えないと始まらない

最初の年は渉外として、主に審査員の方々との折衝を担当していましたが、ここでの経験はとても大きな財産になりました。審査をお願いする方は社会的にも実績があり、とても忙しい形ばかり。学生の中でこそ、SFFは知られた存在になっていましたが、社会全般にはまだまだ有名とは言えません。普通にメールで依頼をするだけでは、簡単に断られるのは分かっています

じゃあどうすればいいのか。このイベントに協力する意味をどこに感じていただけるのか。かなり悩みました。そこで出した結論は、「直接会って気持ちを伝えること」です。

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でもそもそも「会う」こと自体が難しいですよね。ですからかなりその点は私なりに戦略を立てました。出版社の前で長時間「出待ち」もしましたし、講演会の予定を調べて出かけ、そこで挨拶して次のアポに繋げたり。お会いできるタイミングが見つからなそうなときは、その方の著書や連載を全部読んで、その感想とともに手書きの手紙を送ったり・・・

いくら自分たちが良いことをしていると思っても、決めるのは先方です。こちらの独りよがりでは伝わりません。相手の立場になって、どうしたらこちらに関心を持ってもらえるのか、同じ目線で話すことができるのか、これは今後も大事にしていきたいこの時の大きな経験です。

そして審査員の方々とのやりとりは、自分自身の視野を広げる良いきっかけにもなりました。みなさん社会の第一線で活躍されている方で、その知識や経験や感覚を間近にできたのは大きな刺激でしたし、ご協力いただいたことに価値を感じてもらえるように、SFFをどう魅力的な企画として表現できるかなど、もっと俯瞰的な視点で自分たちの活動を見るようにもなりました。

そして開催終了後、このような私のそれまでの行動を見ていた先輩方から「来年は本橋さんが代表をして!」と声をかけていただき、その期待をありがたく思いお引き受けすることにしました。

【3】イベントは「主催者の顔がしっかり見えること」が大事

代表となって一番意識したのは、何よりもSFFの認知やブランド価値を上げることでした。

それは、SFFに参加していただくフリーペーパー制作者のモチベーションになり、審査員やさまざまな協力者への感謝でもあり、スタッフみんなの満足にもつながるからです。関わったみなさんが「SFFに参加してよかった」「ここに関われたことを誇りに思う」、そう言ってもらえる企画にすることが、最優先のミッションだと考えました。

では、どうしたら私たちの活動がもっと社会の知るところになるか、私たちの想いが広く伝わるか。その方針を広報担当と話し合い出した結果が「代表自らが積極的に表に出て広報活動を行う」ということでした。

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私は常々「イベントは主催者、来場者の信頼関係で成り立つもの」と考えています。「何をしているか」以上に「どんな人がどんな想いで主催しているのか」がとても大事なのです。世の中には、学生主催のイベントが本当に数多くありますし、だからこそ「主催者の顔がしっかり見えること」を意識したのです。

そして周りを見回すと、女性が代表を務める学生団体はあまり無いことに気が付きました。ですから女性が代表であることはアピールポイントになるのでは無いかと。そこで「SFF2012=本橋萌」のイメージになるくらいに広報活動は積極的に仕掛けました。そのかわり私はみんなを代弁して、しっかり想いを伝えていけるように。

おかげさまで、フリーペーパーの応募も当日の来場者数も過去最高のものになり、多くの方から「とてもいい開催だった」とのお褒めの言葉をいただくことができました。また協賛企業の方々からも、「2013年開催も引き続き支援する」と言っていただけること多いと聞いてとても嬉しく思っています。

【4】一人ひとりの想いと向き合うことを大切に

このように2012年のSFFは私のカラーが表に出ることが多かったのですが、本来の私のキャラがでしゃばりかと言えば、決してそうではなくて。どちらかというと、周りを盛り立てていくことの方が好きなんです。

自分自身、子供の頃から承認欲求がとても強いというか、みんなと一緒だからこそ頑張れる(逆に一人だと頑張れない)性格でした。だから自分がみんなのために役立つ存在でありたいし、みんながそれぞれ自分自身に価値を感じたい気持ちも分かります。そのためスタッフ全員の自己実現をできるような団体でありたいという想いが常にありました。

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自分で言うのもなんですが、傾聴力はかなりある方だと思っています。そして一人ひとりと向き合うことを大切にする姿勢も。

これは中高一貫の女子校生活で、かなり鍛えられた気がします。この頃の年齢の女子はみんな尖っていて、仲間内の争いやいじめがけっこう激しかったりしますよね。私が通っていた学校も同じでした。そして「ここで生き残っていくのは並大抵のことじゃないぞ」と、内気だった私はかなり悩んでいました。

そこで身に付けた処世術が、人の話をしっかり聞くことでした。そしてみんなそれぞれの立場や気持ちを理解するように。そういうことを繰り返していく間に、信頼も生まれ、コミュニケーションも上手に取れるようになってきたのです。これが今の私の「リーダーとしての立ち位置」を考える上での起点になりました。

【5】みんなの次へのステップになるSFFにしたい

SFFのスタッフは、一般大もいれば美大生もいます。これまでのバックボーンや参加目的もさまざまです。イベントをしたい、クリエイティブに関わりたい、社会と接点を持ちたいなど、まさにスタッフの数だけ想いの種類があります。だからこそ、私にないものをたくさん持っている人が多くて楽しくて、「みんな凄いなあ」って尊敬していました。

自分がSFFの代表を一年間続けることができたのは、ひとえにそんなスタッフのおかげです。このメンバーでなかったら最後までやり通せなかったと、今振り返ってもあらためて感じます。一人ひとりがSFFで何をしたいのかを強く持ち、それを発信し積極的にアクションに移す。これは常に自分の良い刺激になっていましたし、1つのことを大人数で作り上げる喜びは、本当に言葉にならない喜びでした。

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とはいえまだみんな学生で、イベントや企画に慣れた人たちばかりではありません。自分に自信がなかったり、どう立ち振る舞えばいいか分からなかったり、なかなか積極的になれないこともあります。そしてそれは時に周りにやる気なく写り、少しずつ距離が遠のいていってしまったりも。これはどの学生団体でもよくおこりえることではないでしょうか。

そこで私が大切にしたのが、スタッフの人たちと一対一で語りこむ時間を絶えず持つことです。「なぜSFFに来たのか」「これから何がしたいのか」「何に興味があるのか」その想いを一人ひとりしっかり確認していく。幸いSFFにはさまざまなみんなの気持ちをかなえる多様な受け皿がありますから、あとはどの部署でどんな役割を持ってもらうのかを考えるのは代表の仕事です。

このように私は、スタッフそれぞれが「SFFでどんな自己実現ができるか」をずっと考えていました。そして「みんなの次へのステップになるようなSFFにしよう」と。その想いの強さに自信があるからこそ、積極的にスタッフを巻き込んでいき、そしてけしかけていきました。みんなからはよく「知らない間に代表のペースに乗せられてる」って冷やかされたりもしましたが(苦笑)

【6】フリーペーパーはニッチでリアルなコミュニティを媒介するツール

「スマホやSNSがこれだけ普及した時代に、フリーペーパーってどんな存在意義があるの?」これはどのインタビューに出たときも一番に聞かれたことです。「紙じゃなくてWebでいいんじゃないか」って。

これは私もSFFに参加した時に考えさせられたテーマでした。そして制作している学生に聞いてみても「分からない」と答える学生が多かったんです。雑誌という一つのカタチに見えるものが出来上がるため「作ったという実感」が得られやすいので、何となく自己満足で手掛けていることが少なくないように思いました。

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ですからこのSFFは、フリーペーパー制作者の方々に問題提起をする機会でもあると考え、2012年の開催では、”Why Create It Now?”をテーマに、「あなた達はフリーペーパーという手段でなぜ表現しているのか」を問いかけるイベントにしたのです。

昨年の応募誌は全部読みましたが、本当にいろいろな個性があって面白いですよね。学生の中だけでもこれだけ多様な価値観や視点があるのかと気づかされます。でも一方で「惜しいな」と思うことも。「もっと自分たちの持っている強みを活かしてほしいな」とか、「もう少し尖ってもいのに」って。

これだけインターネットが普及している時代ですから、世の中の殆どの情報は検索したらわかってしまいます。ネットで調べられることなら、ネットに任せてしまったほうがいい。自分たちだからこそ分かる、そして伝えたい相手を意識した、よりニッチなニーズを深く掘り下げたものが、作っている側も読む側も楽しいんじゃないでしょうか。そして雑誌はやはり写真のインパクトが大きいですから、写真を見ただけで「何か力を感じる」「訴えたいものが伝わる」そんな意識も大事だと思います。

フリーペーパーは名前の通り、無料であることが強みです。それによって「読者になる」というハードルを下げ、直接手渡しすることで、伝えたい相手にピンポイントで想いを届けることができる。その結果、「モノ」して人と人のリアルなコミュニティを媒介できる存在になるということ。このあたりがフリーペーパーならではの魅力ではないかと私は考えています。

【7】人脈が増えると人生の自由度が上がる

フリーペーパーもイベントも、「作ること」「開催すること」そのものが目的ではありません。あくまでそれは手段であって、その先に何かしらの目的があって取り組んでいるはずです。そしてそのためには、周りからより多くの共感を集めること、次の世代にしっかり引き継いでいくことも重要です。

しかしややもすると日々の忙しさに追われ、「目の前の作業を終わらせる」ことに汲々となりがちです。そしてホッとしてそこで止まってしまったり。

SFFではその点を強く意識していました。「イベントが終わったから、打ち上げが済んだから終わり!じゃないよ」って。報告書をまとめて、お世話になった方々に提出し、内部で総括し、それを次の世代のスタッフに引き継ぐ。そこまで出来てイベント完了です。ですから私たちは、イベント終了後もまだ何度もミーティングを続けていました。それも開催前以上の高い意識を持って。

こういった姿勢は是非多くの学生団体の方にも共有してもらいたいなと思います。それによって、企業や社会人の方からの理解や協力も深まっていくでしょうし、団体内部の財産が蓄積されます。その結果、活動の中身も充実し、当初掲げていた目的の実現に近づいていくはずですから。

今回SFFの代表をさせていただいて、いろいろな方とお会いして感じたのは、「人脈は人生の自由度を上げる」ということです。知らないことが出てきたら、詳しい人に直接話をお聞きすればいいですし、何か実現したいことが出てきたら、足りない経験やスキルを補っていただくことができます。知識欲求も行動欲求も満たし、いろいろな人生の選択肢が生まれていきます。さらにお付き合いの幅が広がり、関係が深まるほどに、その実現可能性は上がっていく。

ですから私にとって「人と会う」ことはとても興味があることですし、大事にしたいこと。人生のモチベーションの大きな源泉になっています。

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まだまだ私は暫くの間、みなさんに教えを請い支えてもらう側の立場ですが、このように人と出会って培っていったものを、今度はしっかり社会にお返しできるようになりたいですね。より多くの周りの人の自己実現を支援しながら、自分自身も楽しく成長していく。そんな存在になれればいいなって思っています。

いま代表の任期を終えて、少しゆったりとした時間の流れの中にいる私の一番の楽しみは、今年のスタッフが頑張っている姿をtwitterなどSNS上で見てひそかに(笑)応援すること。そして今度は、観客の側としてイベントに参加できることをとても期待して待っています。

今年また新たに、どんな想いを載せたフリーペーパーが登場するのか、それはとてもワクワクします。皆さんも是非SFFの活動に注目していただき、イベント当日は現地で一緒にその時間を楽しみませんか。