岩澤 直美 さん

岩澤 直美 さん

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早稲田大学国際教養学部。グローバルな視野を育む、子どもの英会話×多文化教室「Culmony」設立、代表

岩澤直美さんのこれまでの主な活動

◯Culmony(カルモニー)主宰
高校生の時に関西で、幼稚園児と小学生を対象に開いた無料の英会話教室【KIDS’ CLUB】が原点。その後、早稲田大学に進学し、活動の拠点を東京へ。グローバルな視野を育む「子どもの英会話×多文化教室」として、さらに活動を本格化させる。
・Culmony オフィシャルページ 
・Facebookページ 
・ブログ 「なおみぶろぐ」

◯主催イベント事例
・CULTURAL CLUB IN ENGLISH (English description below)。2015/1/25より東京アメリカンクラブ(TAC) にてスタート 
【英会話×多文化 マンスリーイベント】たのしくせかいめぐり★ゲームをしながらえいごであそぼう!」(2015/1/25) 
親子で楽しもう!英語で世界めぐり★クリスマスパーティー (2014/12/14)
【Culmony x festivo】異文化 “English” ディスカッション@リバ邸六本木」 (2014/6/6)

◯クラウドファンディング
・「moonshot」「小学生に向けた無料の異文化理解教室を開きたい!」
※30万目標に対して支援31万5000円 (支援者33名)
・高校生の時に、大阪ハンブルグ友好都市の親善大使。スピーチコンテストの入賞多数。

■ 岩澤直美さんインタビュー

【1】”Culture”と”Harmony”で作りだす、多文化共生社会の実現

「多様性を認め合い、誰もが居心地良くいられる多文化共生社会の実現させたい」そんな思いで活動を立ち上げたCulmony(カルモニー)。ここで私たちは、幼稚園や小学校低学年の子どもたち向けに「英会話×多言語」をキーワードにした、さまざまな文化に触れられるようなプログラムを運営しています。

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例えば、この1月25日からスタートした、Culmony杉並キッズでは、「【英会話×多文化 マンスリーイベント】たのしくせかいめぐり★ゲームをしながらえいごであそぼう!」という、毎月一回1年間のプログラムを実施しています。その第一回目では「世界のニューイヤーをみてみよう!」をテーマに、3~6歳のお子さんとその親御さんを対象にした「親子の部」、そして7~9歳の小学生を対象としたものと、二部構成で開催しました。

具体的には、英語の歌を歌ったり、英語でゲームをしたり、外国の子どもの遊びをしてみたり、みんなが楽しんでいただける工夫をしながらも、より身近に外国の言葉や文化を体感できるような、学びの場を作り上げています。

そしてこのような、定期的なプログラム以外にも、企業とコラボしたイベントを随時開催するなど、現在さまざまなカリキュラムを構築中です。私たちが1年半かけて作り上げてきたノウハウや、10か国以上にのぼる留学生ネットワーク、そして「小さい頃から多文化・多言語に触れられる場所を作りたい」と願う私たちのコンセプトに賛同し、さまざまな場所からお声おかけいただく機会も増えました。

Culmonyという言葉は、”Culture(文化)”と”Harmony(調和)”を掛け合わせて、私が作ったものです。さまざまな文化がそれぞれの個性や良さを音色のように保ち、他の音色とキレイにブレンド出来るような、多文化が共生出来る社会を実現したいという想いが込められています。立ち上げたのは高校3年生の時、大学のAO入試が終わったすぐのことです。

【2】日本では煙たい目で見られがちな「異質」も、本来は人それぞれの個性

始めたのは高校生の時ですが、このような構想はけっこう以前からありました。さらに言えば、私自身の子供の頃のさまざまな経験が、その大きな原点であり、原動力になっています。

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私はプラハで、日本とチェコのミックスとして生まれ、小さい頃はずっと親の仕事とともに、世界と日本を行き来していました。生まれてすぐに日本に来て、神奈川から大阪、そして6歳の頃にはハンガリーに。小学生の途中から大阪、そしてドイツ、高校に入ってまた大阪に、というようにまさに転々。

まだみな小さく多感な小学生の頃、見た目的にも明らかに日本人らしくない私は、周りから怪訝な目をして迎えられました。さらに、肌が弱くてポリエステルがダメだったため、一人だけ制服じゃなかったり、ピアスをしていたり・・・ 全てが周りの子たちとは違っていて、いじめるには格好の存在だったんです。

正直かなり辛い日々が続いたのですが、そこでも前向きで居続けることができたのは、やはり親のおかげです。いつも、これからどうすればいいか相談していたのですが、そのアドバイスの中に「学校には行かない」という選択肢が全くなかったからです。「毎日学校に行くことを前提に、どうみんなと接すればいいか」ずっとそれを話し合っていました。

日本の社会では「異質」は煙たい目で見られがちですが、私にとってそれは個性でした。「いろんな人がいて、その分だけさまざまな価値眼があることが当たり前」だと、それまでの海外生活を通じ感じていたからです。ですから、その姿勢は崩さない。言うべきことはしっかり伝えようと、その気持ちはずっと維持しみんなと接していました。

いっぽうそういう「個性」の正当性を証明したいという思いもありました。そこで、ちょうど冬の寒い時期、女の子たちがその寒さの中でもスカートをはいて登校するのを見て、何とかならないかと学校に相談したことがあります。すると実は規則で縛っているわけではなく、自己裁量で大丈夫な部分が多かったんです。何となく慣習みたいになって続いているだけだと。

その結果を伝えると、多くの子がズボンで通うようになりました。それぞれが好きな温かいジャケットを羽織るようにもなりました。みんな知らず知らずのうちに「周りと一緒でないと」という意識に縛られていただけで、本当は意見を言いたいことがたくさんあって、そしてその気持ちを伝えれば、変えられるという事実があること。それを知ることができたのは、非常に大きかったと思います。

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また日常的に、海外の生活や文化や、私自身の経験なども話すようにしていました。残念ながらその当時はあまり反応は分からなかったのですが、何年かしたあと聞いた話では、私のクラスの生徒だけ飛び抜けて、海外留学に行ったり国際交流に興味を持つ子が多かったということでした。それを聞いて、「子どもの頃の体験って、人生において大きな影響を与えるんだ」って気づかせてくれるきっかけになりました。

【3】誰もが自分らしくあることができる、居心地のいい社会のためになるために

私にとって、頑張るモチベーションの大きなキーワードになっていたのが、コンプレックス。その一つの要素が語学です。私はミックスとはいえ、ベースにあるものは完全に日本人で、当時は日本語しか話せませんでした。でも周りからは、「(外人っぽいのに)英語も話せないの!?」と、いつも呆れたような態度をされることが多かったんです。

そもそも私の生まれはプラハですし、その後住んでいたのもハンガリー。なのに「海外育ち=英語」という決めつけ自体も凄く偏った感覚なのですが、それ以上に私の中では、語学に強くなることが超えなくてはいけない大きなハードルになりました。

今では、日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、チェコ語の6か国語に関しては、日常生活の会話は可能です。しかしこれはまさにコンプレックスの裏返し。「できないと思われたままじゃ嫌」という気持ちの積み重ねにしかすぎません。

でも言葉を知ることで、いろんな国の人と話すことができ、世界が広がり、自分自身の可能性も広がってきました。コンプレックスの強さは今でも全く変わらないですが、頑張ればできるという経験ができたのは、非常に大きなことだったと思います。

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そして、今のCulmonyを考えるきっかけとも言えるのが、高校2年生の時にしたベトナムへのバックパッカー体験です。この時は日本から、絵本や竹トンボなどのおもちゃを持って渡航し、現地で小さな子供たちに日本の文化や楽しみ方を伝えたりしました。ここで子供に異文化を伝えることの面白さや、そこから生まれる可能性を感じることができ、いっぽうで日本とは違う教育環境の不十分さや、格差を目の当たりにしました。

その後、幾つかのスピーチコンテストに出て、これらの体験に基づく、国際社会や教育問題について発表することが増え、だんだんと私の中のやりたいことが見え、線で繋がるようになってきたのです。

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それは教育先進国であるはずの、そして私が大好きでこれからもずっと住み続けるであろう日本にも、まだまだ多くの教育の課題を抱えているということ。

私が小さい時に体験してきたような、多様性に対する容認力の低さは、まさにその一つ。誰もが自分らしくあることができる居心地のいい社会のための一歩として、子どもの頃から、誰もがごく当たり前に、他国の言語や文化を理解し尊重することが重要なのではないかと考えたのです。

【4】まずはニーズの可視化されたところでしっかり実績を出す

最初に手掛けたのは、無料の異文化教室です。小学1年から3年生くらいの子どもを集めて、毎週一回、計10回ほど開催しました。自分でビラを作って500枚ほど撒いて。でも高校生の初めての試みながら、結構興味を持っていただけて、最初は7名からスタート、多い時は15名ほどになりました。

教える側は、私を含めて7名全て違う国の出身。インド、メキシコ、ブラジル、ニュージーランド、ドイツ、韓国と非常にバラエティ豊かなメンバー構成でした。

授業では一切日本語は使いません。もちろん最初はみな外国語は理解できないのですが、写真を見せたりゲームをしながら、数字や色や見えるものを英語で説明していくと、けっこう早く覚えていくんです。数回目にもなると、自己紹介もでき、英語で意見や文句を言えたりするようにもなってきます。

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でも私たちは、言葉を教えるだけが目的ではないので、例えばオリジナルで外国を旅しているようなノートを作って教材にしたり、少しでも外国の文化や風土に関心を持ってもらうような工夫を心がけていました。

その甲斐あって、親御さんからの反響もよく「いつも子供たちが楽しみにしている」「子供たちが変わっていくことを実感できた」といった声を多数いただくことができました。

その後大学に入り、クラウドファンディングで多くの方に協力していただいた資金をもとに、東京でも同じような教室を広尾に立ち上げました。そして一年弱、いろいろなカタチで試行錯誤を続けつつ、少しずつ独自のカリキュラムのカタチを作り上げている最中です。

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私は、以前の家庭教師の体験から、子どもに対する教育感度の高さは、どうしても一部の人(多くは富裕者層)に限られることを感じてきました。ですから、本当はもっと手軽で裾野の広がる仕組みを作りたいという願望はあります。でも、ニーズのないところで悪戦苦闘しても何も始まりません。まずは、しっかり目に見えるニーズに応えて実績を出して、そしてより多くの人に提供できるような環境を作っていきたいと考えています。

そして将来的には、公的な教育の場でも活用していただけるようなレベルまで、サービスの質も信頼も高めていければと思っています。

【5】原点は自分のこれまでの経験。だからこそ自分らしくあることができる

私がCulmonyを通じて実現したいのは、最初にもお話ししたように「誰もが居心地がいい場所」です。そしてそのために、「多様性を認め合う、多文化が共生する社会」が必要だと考えています。

人と人の関係で大切なのは、お互いを尊重し合いその尊厳を認め合うこと。でも、それは相手のことをよく知らないままで生まれるものではないはずです。どんなことを考え、どう生きてきたのか、その背景を知ってこそ、本当に人を理解することができます。

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いっぽうで、自分自身をしっかり伝える力も必要です。そして他人を受け入れるためには、受け入れる自分がしっかり存在することも。相手だけでなく自分自身も、何者であって、何をしたいのか、明確になっていないと、人との違いや共通点が見つけられない。お互いを理解し尊重し合う関係が生まれてきません。

これらの話は、私たちの取組みの中では、あくまで国であり言語に対しての距離感ですが、実際はそこだけでとどまるものではないと感じています。同じ国の中でも、年齢や性別や生い立ちや得意不得意やさまざまな違いが存在しています。そういう違いが当たり前であること、その違いに価値を感じられるために、小さい頃からさまざまな世界や価値観を知って、その多様性が当たり前である習慣を持つことが大切なのではないかと思うのです。

私自身、ずっとコンプレックスの源流にあったのは、自分を認めてほしいという思いでした。生まれや育ちや価値観がみんなと少し違うだけで、仲間の輪に入れない。それがとてもつらかった。

本来なら人それぞれ違うことが大切な価値のはずなのに、みんながそれを恐れていては、非常に同質的な息苦しい世界になってしまうはず。誰もが自由に自分らしさを貫ける社会であることが、すごく大事なことだと思うんです。
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いま私はシェアハウスで過ごしていますが、そこにはとても個性的な先輩や仲間がたくさんいて、さらにそういう人たちに魅かれて、また素敵な仲間の輪が広がっていったりします。そのそれぞれの「らしさ」が、お互いを引き立たせ相乗を生んでいることをすごく感じます。

その分、周りのみんなの凄さにコンプレックスを感じてばかりなのですが、そのコンプレックスを克服しようとする意欲の強さをずっと失わないでいることは、唯一誇れることかもしれません。そして、私がしてきたこと、しようとしていることの殆どは、自分自身の経験が背景にあることばかりだということ。だからこそ自分らしさを発揮でき、強みとなりえるのだと思っています。

これからもその自負を大切に、Culmonyを通じて、さらに少しでも多くの人の幸せな人生を作るお手伝いをしていきたいと考えています。

メディアでの紹介リンク




・RickyReports チェコと日本のハーフ早大生、岩澤直美「英会話教室で世界とリンク」
・Co-media ”外国人”としてのコンプレックスを乗り越え、多文化共生社会の創造へ
・GARAGE LABOインタビュー No.5:早稲田大学 Culmony 代表 岩澤 直美氏
・ASHOKA YOUTH VENTURER’S BLOG 「可能性を信じて」
【大学生必見】これが東大、早慶、難関大の女子大生だ!才色兼備なすごい女子大生まとめ