鍋島 勢理 さん

鍋島 勢理 さん

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青山学院大学法学部法学科。「日本の明日を考える女子学生フォーラム」発起人代表。2015年秋よりUniversity College Londonの修士課程進学

■ 鍋島勢理さんのこれまでの主な活動

〇日本の明日を考える女子学生フォーラム 発起人代表 (2013/4/27設立)
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~ 主な活動実績 ~
・首相公邸にて安倍昭恵首相夫人のフォーラム開催
・福島大学と会津大学短期大学部の女子学生を巻き込んで「エネルギーを考えるフォーラム」開催
・会津大学にてアメリカの原子力の専門家をお招きしたフォーラムの開催
・柏崎工科大学の学生を巻き込んで「日本のエネルギー政策を考えるフォーラム」開催
『安倍昭恵首相夫人が今、女子学生の皆さんにお伝えしたいこと』

〇アイセック
海外学生のインターンシップ受け入れを手掛ける。1-2年生時チームリーダー
※参考 AIESECスタッフインタビュー 「受け入れ事業局サービス業チームリーダー 鍋島勢理」

■ 鍋島勢理さんインタビュー

【1】根拠のない自信とその裏にあった大きなコンプレックス

青山学院大学での4年間の大学生活も終わりを迎えました。私自身はこの後、秋から海外の大学院に進学する予定ですので、まだ学生生活は続きますが、やはり卒業は大きな節目で感慨深い思いがあります。

4年間を振り返ってみると、私の活動は大きく2つに分けることができます。1つが、1-2年生の時に参加していたアイセック。もう一方が、その後の留学を経て立ち上げた「日本の明日を考える女子学生フォーラム」の活動です。いずれもキーワードはグローバル、そして「次代を担う若者世代に、気づきや活躍の機会を提供できれば」、そんな思いが中心になっている気がします。

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私が社会的なものに関心を持つようになったのは祖母の影響かもしれません。祖母が赤十字のボランティアをしていたため、子どもの頃からゴミ拾いや募金ボランティアなどに携わることが多く、社会における課題に自然と意識が向くようになっていった気がします。

一方で、率先してどんどん前へ出ていく子供でもありました。中学生の時は生徒会の副会長をしたり、学内のイベントの司会をしたり、日常的にも自然とみんなの取りまとめ役をしていたりと、リーダーシップをとる機会も多くありました。

そして何となく根拠のない自信のようなものもずっと持っていて・・・。あらためていうと恥ずかしいのですが(苦笑)、高校の頃は「自分は広島の街でくすぶっているような存在じゃない」と思い込んでいたり、大学進学して上京一日目、渋谷の駅前に降り立ったとき「自分はこの東京で誰もが知る存在になるんだ」と気負ってみたり(笑)。若気の至りかもしれませんが、そんなタイプでもありました。

ただそれは、いま思い返すとコンプレックスから来る強がりだったかもしれません。私自身高校入学まではそれなりに成績が良かったのですが、その後勉強に対する意欲が薄れ、2年生になる際には、それまでの進学クラスから外されてしまったんです。同級の女の子の中では脱落者は私一人だけ。一気に学校も仲間も遠い存在になってしましました。

その後、少しでも自信を取り戻そうと必死に勉強を頑張りました。この頃の「認められたい」をベースにしたハングリーな感覚は、頑張るモチベーションになってきた部分、いっぽうで少し視野を窮屈にしてしまったかもしれない部分、良くも悪くも今の自分を形成している大きな要素になっている気がします。

【2】アイセックでの経験が、フォーラムを立ち上げる大きな財産に

大学入学後、すぐに目に留まったのがアイセックでした。新歓のビラで知ったのですが、直感で「これは面白そう」「グローバルにカッコいいことができるんじゃないか」そう感じて、すぐに参加しました。

具体的に携わったのは、海外学生のインターンシップ受け入れ事業。日本でインターンシップをしたい学生と、受け入れに関心がある企業をマッチングしていくものです。

もちろん、ただ待っているだけで決まるものではないですから、こちらから企業に営業もかけていきます。海外学生を受け入れる意義や、会社にもたらしうるメリットなどを説明しながら、少しずつ摺合せしていくのです。

そういった、候補のリストアップ、TELアポ、営業、折衝、契約までの一連の流れから、学生の迎え入れや定期的なフォローまで幅広く携わってきました。実際に、ベトナムやインドの学生を、あるコンサルティング会社に受け入れていただいたりして、その時の感慨は忘れられません。

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ここで経験したことは、その後のフォーラム活動でも大きな財産になっています。例えば、イベントをすること一つとってみても、告知や集客、運営その他、アイセックでの経験があったからこそ。また当時はチームリーダーをさせていただいており、ここで同級生や後輩と一緒になって取り組んでいたことも、いま代表として活動していくための土台になっている気がします。

一方で、学生だからゆえの活動の限界もあり、もっと広い世界を見てみたいと思うようになりました。またアイセックの肩書ではなく、個人として何ができるのか試してみたいという気持ちも。そこで3年生になったとき、1年間オックスフォードへ留学することにしました。

【3】世界に通用する日本発女性のグローバルタレントを輩出したい

イギリスへ行って驚いたのは、大学の教授や企業の幹部に女性が非常に多いことでした。「日本とはかなり違うなあ」って。でもそれはこの国では普通のこと。であれば「日本でも同じような社会が来るのではないか」「日本の女性ももっと活躍できる能力は持っているはず」。そう思うようになったのです。

そして帰国後、「日本を中心に世界で活躍する女性を輩出したい」という思いのもと、2013年の4月「日本の明日を考える女子学生フォーラム」を立ち上げました。

活動の軸になるのは、週に一回の勉強会です。これまではエネルギーをテーマにすることが多かったのですが、国家の基礎になる部分の現状を知るところから始めようと考えました。

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私たちが大切にしている考え方は「知行合一」です。知らないことを調べること、ひとつのテーマで語り合うこと、そういう学びの楽しさを知るとともに、実際に足も動かすこと。問題が起きている現地に行って、そのリアルを体感することも重視しています。これまでには、柏崎や福島や幾つかの原子力発電所のある町へ伺い、地元の人と話をする機会を作ったりもしました。

また、著名な女性ゲストをお招きしての講演会も定期的に開催しています。この4月には、安部昭恵さん(首相夫人)にお越しいただくイベントも開催しますが、その道のプロとしてご活躍中のお話しを聞いて、みなさんがどういう生き方をしてきたか、その心構えや姿勢など「生き様」を知る機会を作っています。

とはいえ、そういう素晴らしい人たちも、実は何か身近な共感ポイントを持っていたりしますから、単に「憧れの凄い人」で終わらせずに、少しでも自分自身に取り入れようとする姿勢も共有しています。

幸い、いま私たちの元に集まってきている仲間は、そんな積極性や多様性に対する理解を持った人が中心。すでに何度か留学したり、将来の自分を明確に描いている人。いっぽうまだそれほど自己を確立できていなくても、「普通に会社勤めをして安定志向を目指すのは少し違う」と感じている子たち。いずれも、広く世界に視点を広げ、行政や外交や「官」の視点で、社会を見つめているタイプが多いようです。

だからこそ、ここに集まる一人ひとりが着実に成長し、プロフェッショナルとして将来活躍するなかで、政財官学の枠を超えた魅力的なネットワークを築いていくのが理想です。もちろん私自身もしっかり実力をつけていきたい。秋からイギリスの大学院に進むのも、グローバルな世界ではまず「大学院卒がスタンダード」であるためです。そしてアカデミックな裏付けを持った、知識と発信力を身に付けていきたいと思っています。

【4】多くの協力者の期待に応えて、さらに活動の幅を広げていきたい

フォーラムの活動をしてきてあらためて感じるのは、多くの先輩方の期待や、こちらが驚かされるほどの優しさやご好意です。本当に多くの方々のご助力があって、私たちの活動は成り立ってきました。

いま、私たちのフォーラムでは、4名の特別顧問の方々にご支援いただいています。
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・英Oxford大学サイードビジネススクール ビジティングフェロー Lady Barbara Judge CBE
・IEA前事務局長 田中伸男先生
・東京大学名誉教授 國井利泰博士 
・グローバルアーティストAlexandra Nechitaさん
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いずれも、素晴らしい実績を持った方々なのですが、一度私たちの活動にご協力いただいた際に、趣旨に賛同いただき、その後の活動についてもサポートいただくようになりました。そういう大きな期待を若い世代に感じていただいていること、それはいつも意識しないといけないことですし、その声や思いをより広く届けなくてはいけないとも感じています。

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おかげさまで、このような顧問の方々やこれまでのゲストの皆様の紹介などで、活動の輪が広がり、魅力的なゲストに起こしいただきやすい環境を構築することができるようになりました。

また日々こまめな情報発信を心がけているFacebookでも、「いいね」の数が1万を超えています。たぶん学生団体系のFacebookではかなり飛び抜けた数ではないでしょうか。これは私たちが頑張って積み重ねてきた財産であると同時に、背負わないといけない期待の重さでもあると感じています。

ただ、代表として反省しないといけないのは、まだまだそういったご支援や期待に応えきれていないということ。具体的に言えば、本来の対象層である同世代の女子大生を巻き込むだけの力を蓄えきれなかったことにあります。

私たちが本来のフォーラムの趣旨を実現するためには、意欲のある同世代の女性をしっかり引き込み、魅力的なネットアークを構築していくこと。さらには多くの人の中にあるであろう潜在化された向上心や好奇心をしっかり引き出せることが重要です。これは今後の大きな課題です。

私自身は、秋から日本を離れます。しかしこの団体を意欲的に引き継いでくれるという後輩に巡り合えることができました。彼女は私とはまた違った感性を持ち、すでに幾つも新しい可能性を見せてくれています。残された日本での数カ月、「日本の明日を考える女子学生フォーラム」の次のステージを作る地固めを、彼女と一緒に築き上げていくのが、今の最大のミッションです。


メディアでの紹介リンク

・日本経済新聞 「原発・エネ問題、語り合う女性たち 海外と連携も」 (2014/6/21)
・ラジオ日本 「エシカルWAVE」出演 DJ;井手迫義和(環境ナビゲーター)白木夏子(HASUNA代表)