岡崎 栞 さん

岡崎 栞 さん

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慶應義塾大学法学部政治学科。「CVS Leadership Institute」参加。「日米学生会議」第66回参加、第67回実行委員

岡崎栞さんのこれまでの主な活動

◯国際交流活動
・「日米学生会議」第66回参加、第67回実行委員
日米学生会議 ホームページ
Official Blog 実行委員自己紹介 慶應義塾大学 岡崎栞

・「CVS Leadership Institute」2014年春参加
チーム「裸電球」COO、ベストポテンシャル賞 受賞。開催結果&チームの紹介ページ 

岡崎栞さんインタビュー

【1】67回目の日米学生会議が8月2日からスタート

ちょうどこの8月から、第67回目の日米学生会議が始まりました。私自身は、昨年は一人の参加者として、そして今年は実行委員としてプログラムに関わらせていただくことになります。

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「67回目」とあるように、日米学生会議は非常に歴史の長い活動です。発足は81年前、「太平洋の平和は日米間の平和にある」と考えた先輩方が、学生主導で立ち上げ、両国の学生間の「相互理解」を目的に始まったものです。

昨年はアメリカの開催でしたが、今年は舞台を日本に移します。直前合宿が8月2日~3日に行われ、本会議が8月3日~23日まで。今回は、-Coming Together to Confront Our Past,Present, and Future- 過去と向き合い未来を拓く 〜衝突と多様性から生まれる新たな相違理解〜を、テーマに掲げ、日米同数の学生が、広島、島根、京都、東京の4都市を巡りながら、さまざまな分科会やディスカッションを行い、お互いのコミュニケーションを深めていきます。

その中で、お互いの意見や価値観をぶつけ合うことで、それぞれの意識変革を促し、個々の成長を引き出していくこと、それが開催の大きな目的です。

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私は実行委員として、広島開催の運営と、広報全般について担当しています。

広報の主要ミッションは、開催の告知・募集です。全国の大学に電話をかけ、ポスターを貼ったり、説明会を開催する許可をいただくなど、とにもかくにも、広く学生に「日米学生会議」の存在を知ってもらい、関心を持ってもらうことが使命。意欲の高い学生に集まってもらわないと、開催が魅力的なものになりませんから、それはもう必死です。

この時に、「日米学生会議」の魅力として私たちが伝えているものはたくさん有りますが、一つにはプログラムの質の高さがあります。そしてこれまでのOBに素敵な方々がたくさんいらっしゃること。日本では、宮沢喜一元首相、アメリカでは、キッシンジャー元国務長官など、錚々たる顔ぶれが並びます。

その中でも、私が「いいな」って感じたのは、先輩後輩の壁を越えた「タメ口」の文化です。参加者は1年から4年まで幅広いんですが、学年関係なくタメ口で話す文化があるからこそ、お互いが年齢にとらわれずに遠慮することなく、自分の意見を自由に言うことができます。でもそういう言い合える関係の中に、しっかり協調性やお互いへの敬意もあって、「大人の世界だなあ」って、思ったんです(笑)

【2】子供の頃は海外の生活が中心。自然に性格がアクティブになったはずが・・・

私は、1歳から4歳までアメリカ、9歳から15歳までをドイツで過ごしました。当然いつも周りは外国人ばかり。そういう環境に私はけっこう馴染めていたので、日本を飛び出して活動すること、海外で働くという選択肢は、ごく普通のことでした。私がアクティブな性格になったのは、そういう背景が大きいかもしれません。

高校時代は日本に戻ってきていたのですが、かなり積極的に前に出る性格でした。文化祭の実行委員会で副委員長をしたり、演劇会で2回主役になったり、「どうせやるなら中心で動いたほうが良い」そう考える性格だったので、積極的に自ら立候補したり、それなりに自尊心も持っていた時代だった気がします。

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しかし大学生になって、その独りよがりな自信はあっさり崩壊しました(笑)

以前から留学への意欲が強かったので、ある1年間の交換留学に応募するために、それまで頑張っていた部活をやめて。それなのに留学の選考には落選・・・。1年生は条件的に選ばれにくい背景があったらしいのですが、それでも私はすっかりめげてしまいました。

部活もやめてしまったし、自分の気持ちを持っていく場所が何もなくなってしまった。さらにその後も、幾つか選考落選が相次いで、それまで楽観的だったはずの性格は、見る影もなく「総悲観」に(笑)

落ち込む。自信がなくなる。やっても上手くいかない。さらに萎縮する・・・と、見事なマイナススパイラルに陥って、いつも自分にイライラ。もともと暇が嫌いで、忙しくしていたいタイプだったので「今の自分はいったいなんなんだろう」って、そんなネガティブな事ばかり考えていました。

【3】「期待される」という経験を積み重ねることで、頑張る意欲を取り戻すきっかけになった

その頃、姉から紹介を受けたのが、CVSでした。これは、「国際的なリーダーを育成する」ことをミッションに掲げる米国NPO法人のプログラムで、年2回、大学生を対象とした米国ビジネスリーダーシップセミナーを開催しているものです。

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姉から伝え聞いたのは、ものすごくプログラムが厳しいこと。「とことんまで追い詰められる」とも言っていました。でも実は私は、そういうのが好きな性格で(笑)、ちょうど自信喪失していた時ですし、「これは良い機会かも」と参加してみることにしました。それが1年生の終わりのころです。

顔を出してみると、先輩方がみな凄いんです。プレゼン力は素晴らしいし、突破力が高い。外資系企業の内定をもらっている方もごく当たり前にいらっしゃったり。

でもここで、素直に「みんな凄いなあ」と受け入れられたのは、弱気になっていたからこそ良かったことなのかもしれません。そしてまだ1年生だったことも。

自分自身は、自分に不甲斐なくて環境を変えたいという思いが強かっただけで、特別なにかアピールする強みは無かったはずです。それでも先輩方は、その姿勢を前向きにとらえてくれた。チームの中でも、リーダーが英語でのプレゼンを私に任せてくれて、「期待してもらえる」ありがたさをあらためて実感しました。

そしてカリキュラム中に、ある経営者の方とご一緒した時、そこでも私の意欲や可能性を買ってくれた。何もないなりに「でも、何か自分もできるんじゃないか」そう思うきっかけをいただけた。

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もちろんディスカッションの中でも、明らかに私は「考える力」が見劣りしていました。でもそれはインプットの量が少なかったり、知っている世界が少なかったり、「経験値が足りない」ゆえのことだと割り切ることができた。そしてあらためて「もっと外に出ていこう」、そう考えたときに出会ったのが、「日米学生会議」だったのです。

実はこのエントリーの時、まだCVSのカリキュラムの真っ最中でした。でもどうしても参加をしたくて、2次選考前日に一時帰国して選考を受け、その足で成田空港に向かって再びアメリカに戻ってきたんです。自分自身の強みである、フットワークの良さを取り戻した瞬間でした。

【4】日米学生会議が終わると、1年間のアメリカ留学がスタート

とはいえ私の心はジェットコースターのように、この後も上がったり下がったりを繰り返します(笑)。CVSから日米会議に参加して、そして今開催の実行委員になることができて、取り戻したはずの自信は、委員として活動していくうちに怪しくなっていく、みたいに(苦笑)

ただその過程での、ぶつかって落ち込んでの繰り返しは、間違いなく自分の財産になっていることを感じます。

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例えば、昨年参加させていただき感じたことの一つが、人と話す時に大切なのは語学力ではないこと。発言する意欲や伝えたい内容、思いの強さ、そしてそれを形作る思考力の方がはるかに重要であるということです。

また相互理解への可能性もそうです。「今まで日本人に良いイメージがあったわけではないが、日米学生会議を通して日本人の友人ができたことでその印象が変わった。」という韓国系アメリカ人の参加者の言葉はとても印象に残っています。学生レベルとはいえ、だからこそ国際交流が相互理解を生むこと、そしてその可能性の大きさを実感したのです。

そして今回、実行委員を経験させていただいて、さらに大きなものを得ている気がします。自分の無力さを実感して、落ち込んで苦しんで、絶望してを繰り返しながら、少しずつ力をつけていくんだなって感じます。

その点、こういう学生主導のプログラムは、いい意味で「その場限り」と開き直ることができます。そこで起きた失敗をいつまでも引きずらなくても良い。それを糧にして、次のステップに向かうことができる自由さがあります。だからこそ、その一瞬にどう価値を生み出すか、社会に共感をもたらすか、そこが問われもします。

最近は「日米間だけでいいの?」といった声もあり、例えば日中であり日韓であり、他の地区との交流の場を作っている団体との協力関係を築いたりしています。そもそもメインの日米間においても、予想以上に意識差があることを実感する機会が多く、まだまだできること、しないといけないことは多くあります。

また歴史が長い団体ゆえに、多くの企業のみなさまに好意的に協賛いただいてきましたが、それに甘んじてばかりでもいけません。「協力してよかった」と言っていただけるための、魅力ある開催を心がけるとともに、感謝の気持ちを丁寧に伝えていかないといけないとも思っています。

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私は日米学生会議が終わったあと、1年間アメリカに留学に行きます。

8月23日に日米学生会議が終わった後、家には帰らずその足で成田空港に向かい、24日から始まる授業に参加(笑)。そういう無鉄砲さは自分らしくていいかなって思っています(笑)

そもそも私の中では、海外に行くことは「近所までお使いに行く」みたいな感覚。あっという間にまたみんなと会える日を迎えていることになっているんじゃないでしょうか。

学ぶテーマは、国際関係です。その中でも、大学がカトリック系なこともあり、宗教についての見識も深めて来れたらと思っています。そして今まで感じてきた、例えば「人の輪」のような、日本らしさ、日本人らしさを再確認する機会になればとも感じています。

私自身、正直なところ今後何をすべきなのか、その柱はまだまだ見えていません。でも今まで、その時その時をいつも無我夢中で頑張ってきたことで、多分、未来に繋がるいろんなものが私の中に形づくられてきたはずです。ですから、いま無理にゴール設定をして、逆算的な生き方をして自分を縛ってしまうより、そういう目の前のことに真っ直ぐに向き合う、日々の積み重ねを大事にしたいと思います。

そういう意味でも、これからの日米学生会議の1ヶ月、そしてその先の1年間の留学で、どんな出会いや気づきがあり、どんな世界が広がっていくのか、それをすごく楽しみにしています。