藤田 優美子

藤田 優美子

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東京大学薬学部 薬学系研究科。「医療学生ラウンジ」中心メンバー。医療学生と患者のTalking Café」立ち上げ

藤田優美子さんのこれまでの主な活動

◯学内活動
~ 所属/研究分野 ~
医薬品情報学講座。
医療現場での医薬品適正使用・育薬研究分野と製薬現場での医薬品のライフサイクルマネージメント研究分野を融合させ、確実に医薬品ライフタイムマネージメント(DLM)を遂行するための「医薬品情報学」を確立するための研究を行う。

~ 研究論文 ~
・P-0663 PK/PDモデルによるアスピリンとNSAIDsの相互作用の予測
 (一般演題 ポスター発表,薬物相互作用,Enjoy Pharmacists’ Lifestyles)
・抗癌剤調製の作業環境と安全対策の現状と課題
 (一般演題(口頭)20,がん薬物療法(その他),Enjoy Pharmacists’ Lifestyles)
 ※参考アドレスhttp://sc.chat-shuffle.net/search-paper/uid:9000018811952

◯学外活動
・大学3年生時「TRIGGER」にてビジネスコンテストの運営に携わる。総務局長。
 メンバーブログ インタビューブログ
・大学4年から「医療学生ラウンジ」に参画。
医療系学生向けのイベント企画や情報発信などを行う。
その中でも特に、薬学生が関わる運営を中心になってマネジメント。
(ロゴ制作などのデザイン、イベント企画・司会、薬学生インターンの紹介、メルマガ配信などの広報部門)
「医療学生と患者のTalking Café」を自ら立ち上げ「患者さんの本当の思い」を知ることを目的に、患者と医療学生が少人数で本音で語り合う場所を構築。

■藤田優美子さんインタビュー

【1】学生団体との出会いでビジネスの面白さに目覚めた

両親とも「東大卒」「医師」という家庭で育ち、東京大学に行くこと、医師になることに対して、小さい頃から憧れとプレッシャーの入り混じる思いがありました。常に患者さんを第一に考え、時間と体力のすべてをかけて現場に立つ、プロフェッショナルな医師としての親の姿は心から尊敬していましたが、一方で私自身はここまで医療分野にすべてを捧げられないのではないかという自問自答がありました。

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大学入学時は理科二類であり、ここでも医学部に行くか、それとも別の進路を考えるか相当に悩みました。しかし、自分自身としてデザインやカラーに以前から興味があり、化粧品会社への憧れもあったため、薬学部に進学することを決めました。また、東京大学の薬学部は3年生の半ばで4年制か6年制(※)を選択するシステムになっており、より実践的な経験を積みたいという思いから、6年制に進学することを決めました。(※2006年から薬学部では6年制課程の設置 がスタートした)

このように、医療系学生として学内に目を向けていた毎日だったんですが、3年生時に同級生が就活を始めるのを見て、「私ももっと外の社会を見た方がいいのでは」となんとなく焦りを感じ、学外のイベントに参加することに。そこで一気に視野も日々の生活も変わりました。

私が最初に参加したのが、「ジョシカツ」という学生団体が企画した女子大生向けの就職イベントでした。そこでベンチャー企業の社長や女性起業家の話を聞いて、「ビジネスってすごく面白い」って思ったんです。そして、もっと経営者やビジネスのことを学んだり、こういった活動を通じて色々な学生と繋がりたいと感じるように。その時、紹介していただいたのが、「TRIGGER」という学生向けビジネスコンテストを手掛ける学生団体でした。

【2】「代表への尊敬」がモチベーション

TRIGGERでは総務局長という立場で関わらせていただきました。学生団体、ましてはビジネス系の学生団体は全く未知の世界だったのですが、「やるからには全力でやりたい!」と、日々の連絡や報告をこまめにしたり、分からなかったらすぐに聞いたり、周りのスタッフの活動を積極的にサポートしたり、どんな小さいことでも必死にやっていました。

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総務局長は、会社の総務と同じだと思うのですが、言ってみれば何でも屋です。みんなが活動しやすいように裏方を務める仕事です。でもふと思ったのが、このポジションは全ての局と接点を持つ場所だということ。だから、そういう立場を活かした媒介的な役割も大事なのではないかと思いました。そこで総務局だけでなく、それぞれの局にも積極的に関わらせていただいて、「攻めの総務」みたいな形で、みんなと接点を増やすように努めました。

4年生の時の1年は、ほぼTRIGGERが中心の日々でした。そこで得られたものはとても大きかったと思います。

一つはビジネスの世界に接点ができ、今まで知らなかった世界に新たな可能性を感じることができたこと。そしてもう一つは行動力がついたことでした。成果に対するこだわりは、一層強くなりましたし、それが形に見にくいバックオフィス業務であっても、その意識は強く持たなくてはダメだと自覚するようにもなりました。

もう一つ、私は「代表への尊敬」がモチベーションとして大きいと感じたのもこの頃です。「自分のため」を押し出すのがあまり得意なほうではなかったので、「尊敬できる人を見つけて全力で愛情を注ぐ」こういうスタンスって私には合っているなと(笑)。それはその後の活動の中心となった医療学生ラウンジにも言えることでした。

【3】医療学生として薬学生としての新たな可能性を具現化

TRIGGERが終わるころ、次はどうしようかと考えていたときに紹介していただいたのが、医療学生ラウンジの田沢君(慶應義塾大学医学部)です。

田沢君は2つの点で予想外でした。一つは、医療系の学生でこんなにも活動的な学生がいたこと。それまでビジネス系の活動が中心だった中で、自分の中に「医療系学生ではここまで熱い人達は少ないな」と勝手なレッテルが作られていて。「医学部生でこんなに外に目が向いている人がいるんだ!」って驚いたのを覚えています。

もう一つは、田沢君が想像以上に落ち着いていたこと(笑)。学生でバリバリ活動している人はギラギラしているというイメージがありましたが、田沢君はむしろその逆で。「真面目で穏やか」という印象でした。でも「これから何をしたいのか」という話を二人でした時、「ITをもっと活用した医療現場の可能性を考えたい」など方向性にかなり同じものがあって。しかも田沢君はとても内面の熱い人。素直に一緒にやってみたい!と思いました。後から思えば、モチベーションとなる「代表への尊敬」をこの時から嗅ぎつけていたのかもしれません(笑)

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医療学生ラウンジでは、私が初めての薬学生メンバーでした。そこで私は、医療学生ラウンジの薬学生のチャネルを広げ、薬学生のためになる活動を仕掛けていくことで、自分らしさを活かしたいなと思ったんです。その後は、薬学生向けのイベントの企画や、薬学生インターンの紹介を中心に、医療学生ラウンジ全体の中でも、イベントの司会とか、メルマガ配信などの広報部門とかを担当させていただいています。また、私はデザインも好きなので、ロゴ制作などもやったりしています。

私自身が薬学生として、そして周りの学生と接する中で感じてきたのが、「もっと自分自身が主役になる意識を強く持ってほしい」ということです。薬剤師の仕事は、病院診療等においてあまり目立つものではなく、現状においてやや裏方のイメージがあるように思います。だからどこか一歩引いてしまうような。リーダーシップを持って先頭に立つ、もしくは立とうと強く意識することが少ないような気がしています。

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でもこれからはチーム医療の時代であり、薬剤師に求められることは広く高度になります。先日もアイセイ薬局の岡村会長に講演にお越しいただいたのですが、お話を聞いてそれはさらに強く感じられました。ですから、自分を含め、薬学生にもっと広い視野、多面的な知識、そして自分たちが持っている可能性を是非培っていってほしいと思っています。

【4】患者と医療従事者がお互いに尊敬の念を持って密に話し合える関係を

「チーム医療」という考え方は、治療にあたる側のみで作られるものはありません。患者とともに「一緒に病気と闘う」関係を築き上げるもの。つまりは、患者も医療者も同じ「チームの一員」であるべきだと考えています。そしてこの分野が私のこれからについての最大の関心です。

私がこういった考えを持つようになったキッカケが、「ペイシェントサロン」という患者の立場から医療を見直そうと考える活動です。これは、参加した患者が、賢い患者になって、よりよい医療を受けられるようになることをめざし、少人数で毎回具体的なテーマを持ち寄って話し合い学ぶ場となっています。

私はこの活動に参加してとても共鳴し、自分でもこういう活動を学生という立場でできないかと考えました。そしてペイシェトサロンの主催者の方からも協力を仰ぎながら、「医療学生と患者のTalking Café」を立ち上げたのです。

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「患者さんの本当の思い」を知ることを目的に、2012年11月から毎月1回開催。NPO法人患者スピーカーバンク様のご協力のもと、日々疾患と闘いながら強く楽しく生きている患者の方が毎月お一人ずつゲスト・スピーカーとしていらっしゃいます。この催しは予想以上に学生からの関心も高く、小規模開催ではあるとはいえ、いつもすぐに定員になってしまうほど。患者にとっても医療従事者にとても、これからさらに大事なテーマになってくる領域であることをあらためて痛感しています。

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このような経験を経て、改めて「医療者と患者が対面でしっかり向き合える環境作り」が、私のライフワークであるべきだと考えるようになりました。そしてその実現のために、ITを組み入れたり、またデザインの力を活かしたり、自分らしさを発揮できる新たな可能性を探っていきたいと考えています。

近況スナップ (2015年9月)

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